End-5「そして、二人は・・・」

ScenePlayer=高坂卓人

 

・・・トントン・・・。

 

 あれから、幾日かが過ぎ、何事もなかったかのように過ぎ去る日常。

物思いに耽る卓人の耳に、部屋の窓を叩く音が聞こえた・・・ちなみに、この部屋は2階に存在する・・・。

 

素直 やっぱり、狙ってた―――(笑)

 

 2階にある窓を、当然のように叩く者・・・卓人の記憶の中には、一人しかいなかった・・・。

 

卓人 「・・・ひかりか?」と、言って開ける。

GM ・・・誰もいない

卓人 バカな!?

GM と、動揺しているとですね、窓の上から・・・逆さまにひかりの顔が飛び出してくる(笑)

卓人 ・・・。

ひかり(GM)「あっ、驚いてくれた?」

卓人 「・・・あのなぁ・・・」

ひかり(GM)「?」

卓人 「出てくる時は、もっと、心臓に優しい出方をしてくれないかな・・・」

ひかり(GM)「だいじょうぶ、卓ちゃんの心臓、丈夫だもん」(笑)

七志素直 負けるな〜〜〜!

素直 ここで負けると、一生、尻に敷かれるぞ!?(笑)

卓人 で、あの「身体の方は、大丈夫か?」

ひかり(GM)「うん・・・特には、何ともないかな?・・・あの時は、何だか、大変だったけれど、今は、全然平気だよ?」

卓人 憶えてるんですか?

GM 《紅き眼の君》の石が破壊された事で、意識を取り戻したのですが、通常では考えられないレベルで酷使されていた為に、いろいろと身体に負荷がかかっていたようです。

卓人 そうですか・・・(なぜか小声で)う〜〜〜ん、ここは・・・頭をなでるかなぁ・・・?

素直 (やはり小声で)ここは、違うでしょう!?

卓人 (小声で)マジっすか!?

素直 ここは、少年誌で言うところの、『健全なお付き合い』で、ギリギリの表現ですよ!(笑)

七志 『頭をなでるは、年下に対する表現ですので。それ以上のモノを要求されます・・・いや、期待されます

一同 (爆笑)

素直 俺はね・・・!保健室で、それやろうとして、GMにスルーされたの!

卓人 ・・・もう、部屋の中にいるんですよね?

GM いや、まだ、屋根の上にいる。

卓人 そんなところもなんだから、中に入って来いよ。

GM では、「うん」と、言って、事も無げに屋根から飛び込んでくる・・・ずいぶんと身軽になっているような・・・(笑)

素直 事件に巻き込まれた影響か?

GM さぁ?

ひかり(GM)「あの後・・・学校も大変だったんだよ?」

 

 準備室の爆発と、担任教師(土屋)の突然の失踪。日常の世界では、これだけで、十分に大変な出来事です。

 

卓人 「大変だったみたいだな?」

ひかり(GM)「・・・佐代子様も、行方不明になっちゃったし・・・」

卓人 「前に説明した通り・・・事件の現況は去った訳だが・・・」

ひかり(GM)「・・・あっ」

卓人 ?

GM 次の瞬間、「ぷっ」と、吹き出すひかり。

ひかり(GM)「いま思うと・・・ねぇ?卓ちゃん」(ニヤニヤしながら)

GM と、笑いながら、君の肩をポンポンと叩く(笑)

素直 マズい!女装の方に、話が流れる!?

ひかり(GM)「あの時は、あまりの事に怒っちゃったけど・・・改めて思い出してみると・・・ねぇ?

卓人 ・・・(汗)

ひかり(GM)「卓ちゃん、面白かった!」

素直 GM、危険だぞ―――!?

七志 いけ、切り替えしの言葉だ!(笑)

卓人 「・・・笑うなよ」

GM 「だって・・・ぷぷっ」と、堪えきれずに笑い出します。

素直 さぁ、いけ。恥ずかしいセリフを言うのにも、耐性ができた今ならば・・・!

七志 さぁ・・・言っちゃえよ・・・フッ

素直 さぁ・・・。

七志 さぁ・・・。

卓人 ムムム・・・。

GM ふむ・・・では、それまで、腹を抱えて笑っていたひかりでしたが・・・。

ひかり(GM)「・・・あの時は、あんな格好してまで、私のことを心配してくれていたんだものね・・・」

卓人 「ま、まぁな」

ひかり(GM)「・・・ありがとう、卓ちゃん」

GM と、真摯な表情で告げるひかりではあったけれど、再び堪えきれずに、クスクス笑い出す。

卓人 「だから、そんなに笑うなよぉ」

ひかり(GM)「だって―――ぷぷっ」

 

 今までと何ら変わらない、それまでどおりのひかりの笑顔。それを守りきれた事に安堵する卓人。

しかし、その心の片隅には、また、別な感情が芽生え始めていた・・・。

 

GM ・・・で、気が済むまで笑い転げていたひかりですが・・・。

ひかり(GM)「ぷぷっ・・・ごめん・・・ふぅ、そろそろ帰るね」

GM と、言って、立ち上がる・・・のですが・・・。

卓人 はい?

GM くるりと振り返って、彼女は・・・。

ひかり(GM)「卓ちゃん・・・」

卓人 なんだい?

ひかり(GM)「えーと・・・ちょっと、こっち来てくれる?

一同 (大爆笑)

素直 うわぁ、そっちから来た―――!GM、絶対、最初から考えてたな!?このイベント!

卓人 そうか―――「んっ?どうした?ひかり・・・」と、言って、近づきます・・・ぐはぁ(笑)

ひかり(GM)「・・・ちょっと、あの時のお礼なんだけど・・・目つぶってもらって・・・いいかな?

卓人 「あぁ」・・・ひかりがやろうとしている事は、99・9%わかっているので・・・。

素直 薄っすらと、目を開けて見ている

七志 いや、それはそれで、嫌だ〜〜〜(笑)

 

瞳を閉じる卓人の様子をじっと見詰め、そして、意を決して歩み寄るひかり。

彼女自身も、緊張のためか、やや震えながらも、卓人に顔を寄せ・・・。

二人の唇と唇が、まさに・・・。

 

・・・ガチャ。

 

卓人の妹(卓人)「お兄ちゃん・・・うるさい

一同 ・・・あっ(笑)

GM では、ひかりは、反射的に君を突き飛ばしてしまうよ(笑)

七志 うわぁ、ラブコメに逃げやがった―――?

卓人 何が悪いと言うのだ―――!?(笑)

ひかり(GM)「じゃ、じゃぁ、私、帰るね!」

卓人 「あ、あぁ」

 

 顔を真っ赤に染めながら、慌てふためき、窓から退散していくひかり。

それを呆然と見送る卓人・・・そんな兄に、妹の冷めた一言・・・。

 

(七志)「お兄ちゃん・・・何を慌てているの・・・?」

卓人 「いや、だ、だからな!?」

(七志)「・・・お兄ちゃんの・・・エッチ

GM バタン(←ドアの閉まる音)

一同 うわぁ―――!?(笑)

 

 そして、卓人一人が残された部屋には、何故か、一陣の風が吹き抜けたのだった・・・。

 

GM 卓人のエンディング、終了!

卓人 ・・・寝るか

一同 (笑)

 

ダブルクロス2ndエディションリプレイ

『紅き眼(まなこ)の君』

 

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